二郎風オープンサンドイッチ(豚マシ、にんにく有り/超熟4枚切、キャベツ、煮豚、刻みニンニク)
酒を飲んでいるときに弟と与太話をしていて出てきたアイディア。料理太郎に制作代行を頼んでみたが、断られた。当然である。失礼なお願いをしてしまって反省している。
ラッパーというのはリアルでないといけないので、吐いた言葉は実行しなければならない。というわけで早速作った。
結果からいうと、アタマの部分の食味および食後感はほぼ完全に二郎系ラーメンのそれであったが、肝心の麺に相当するパンが、代替品として全く成立をしていなかった。かといって、超熟が悪いのかというと、そうでは無いだろう。
強力粉で打った麺からパンの香りがしても、パンそのものが麺の代わりを務めるのは難しいのだなと理解した。鹹水の問題もあるかもしれない。
さらに追求するにはオーションと鹹水を買って、鹹水入りのパン(まずそう)を自作するしか無いが、そこまでするなら麺を打てば良いと思うし、俺は麺打ちまでしたくない。今後はアタマだけ作って適当な市販のラーメンに乗せて食うか、おとなしく店に本物を食いに行こうと思った。
<以下、手順>
当初、肩ロースかウデ肉を使って圧力鍋でほぐし豚を作ろうかと考えていたが、現在独居で大量に仕込むと食いきれないこと、作成にあたってそこまで情熱が無かったことを踏まえ、アブラと肉の繊維部分の両方を簡単に再現できそうな豚バラのブロックを採用し、端切れをカットして使用することにした。純トロの部分はきちんとしたお料理に使います。
二郎系ラーメンの特徴の一つとして「雑さ」が挙げられる。なので、すべての工程で「雑さ」を念頭に作業・調味を行っていく。
肉以外の材料。もやしはパンに乗せると破滅することが容易に予見されるので除外。ヤサイはキャベツのみに担っていただく。前述の超熟、ラード、にんにく。
事前に焼き固める必要性について検討をしたが、答えが出なかった。しかし、とりあえず表面を強火で焼き固める。
フライパンに残った脂。通常の料理であれば捨てるところ、あえて酒と味醂を加えて熱して余すことなく煮豚のタレに利用する。
通常、ラーメン屋のチャーシューの仕込みでは肉が硬くなってしまうために味醂は使わず砂糖を使用することが多いようだが、あまり柔らかく仕上がってもらってもサンドイッチの具として不適なため、味醂を投入した。
醤油2:酒1:味醂1のタレで煮ていく。通常の比率ではなく、かなりカラメの仕上がりを期待しての配分。香味野菜は一切入れない。臭みが多少残るくらいが丁度良いと考えた。
蓋をして弱火で1時間煮る。
(俺は比較的良い調味料を使っているので、豚の臭みは醤油・酒・味醂だけで完全にマスキングされてしまった。豚も近所の信頼している肉屋で切ってもらったので、そもそも臭みも少なかったのだろう。求道するのであれば、輸入豚・合成醤油・合成酒・みりん風調味料などを使うべきである。)
並行してヤサイを作っていく。キャベツをフードプロセッサーで粉砕して少量の塩で揉んで水を抜く。通常のコールスローとは違い、あくまでこれは茹で野菜の再現を目指すものであるため、極少量のマヨネーズと胡椒、そして通常では考えられない量(キャベツ4分の1玉に対して5振り)の化学調味料を加えた。
ここも求道するのであれば、ハイミーではなくグルエースなどのグルタミン酸単体の化学調味料を使用すべきであろう。うちにはハイミーしかない。
煮上がり。普通に飯で食いたい。
刻む。普通に飯で食いたい。
タレに戻す。もうあまり食いたくない。
フライパンにラードを入れ、パンの片面をラードを吸わせるようにして焼き、もう片面も素焼きする。パンのフチが少し焦げてしまったが、二郎の雑さを表現したと考えればこれもまた悪くないだろう。にんにくを刻んでおく。
パンの上にヤサイ、豚、ニンニクの順で乗っけて完成。パンの耳の有無が食味にどう影響するかを知りたくて片方は耳を切り落としてみたが、食味も食べやすさも耳ありの圧勝だった。